うつ病は、気分障害の一つです。「一日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」といった精神症状とともに「眠れない」「食欲がない」「疲れやすい」といった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は精神的ストレスと身体的ストレスなどが背景となり、脳がうまく働かなくなっている状態です。またうつ病になると考え方や物事の見方・捉え方が否定的になります。気分障害には、うつ病と双極性障害(躁うつ病)などがあり、判断がつきにくいことがあります。うつ病にはうつ状態のみが見られますが、双極性障害はうつ状態と躁状態を繰り返します。うつ病と双極性障害は治療法が大きく違うため、自己判断をせず鍼灸院やかかりつけ医・専門医にご相談ください。
うつ病と双極性障害の違い
一般的には「躁うつ病」として知られていますが、うつ病と双極性障害は違う病気です。
うつ病
単極性うつ病ともいい、気分の落ち込み、やる気の喪失、不眠といった症状が出る。
双極性障害
うつ状態と躁状態を繰り返します。
うつの原因
発症の原因は正確には分かっていないのですが、感情や意欲は脳が生み出すもので、脳の働きになんらかのトラブルが起きていると考えられています。具体的には脳の神経細胞でやりとりされている、神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)のバランスの乱れが関係している可能性があるとされています。
神経伝達物質の量だけでなく、うつ病になりやすい気質や引き起こすきっかけとなるストレスなどが組み合わさることで引き起こると考えられています。
ストレスの中でも大きなきっかけとなるのは、喪失感(身内やパートナーとの死別や別れ)、環境の変化(結婚、出産、引っ越し、転校、転職など)、人間関係(いじめ、友人との不仲など)大きく分けて3つです。ストレスに対する反応は個人差があり、他のきっかけでストレスを強く感じる方もいます。
うつの症状
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった自覚症状が続き、気分が落ち込むような明らかな原因が思い当たらないことも少なくありません。また、原因と思われる問題を解決しても気分が回復せず、日常の生活に大きな支障が生じることがあります。
うつ状態では、物事の捉え方が否定的になります。そのため、自分がダメな人間だと感じてしまうこともあります。そして、普段なら乗り越えられる問題も、実際よりも辛く感じてしまうという悪循環が起きてしまいます。イライラしたり、焦る気持ちも出てきます。重度になると「死んでしまいたいほどの辛い気持ち」が現れることもあります。本人の自覚症状がない場合が多いですが、無表情な顔つきやぼんやりとした顔つき・表情が現れます。