腰痛とは大きく分けて2種類あり、特異的腰痛と非特異的腰痛があります。
特異的腰痛
これは画像検査による診断や診察で原因が特定できる腰痛で、腰痛患者様全体の約15%を占め、主に以下の内容が原因とされています。
椎椎間板ヘルニア
背骨と背骨の間にある椎間板が潰されて、内部にあるゼラチン状の髄核(ずいかく)が後方に押し出され、神経を圧迫するために痛みが起こる病気です。高齢者よりも、20代から40代の働き盛りの男性に多くみられます。
腰部脊柱管狭窄症
脊椎は、椎骨と呼ばれる骨が連結してできており、加齢などの要因により椎骨にある脊柱管が狭くなることがあります。この狭窄によって神経が圧迫され、結果として腰痛やお尻、足のしびれなどの症状が生じます。一般的に40歳以上の人にみられる問題です。
腰椎分離症
「脊椎分離症」は、背骨が「椎体」と「椎弓」から成る部分が疲労骨折を経て分離している状態です。主に若年時にスポーツなどの負担が原因で発症し、一般的な症状には運動中や長時間同じ姿勢での腰痛が含まれます。特徴的なのは、症状が目立たないことが多く、放置されて大人になってから発見されることもあることです。
腰椎すべり症
腰椎分離症は、腰椎の「椎体」と「椎弓」が分離する状態を指します。これが放置されると、腰椎の安定性が損なわれ、骨同士がずれて「腰椎すべり症」に進行する可能性があります。したがって、腰椎分離症から腰椎すべり症に進行した状態を「腰椎分離すべり症」と呼びます。
がんの転移
がん細胞が腰部に転移し、痛みを引き起こすものです。一般的には脊髄腫瘍と言われ、良性のものと悪性のものに別れ、いずれにしても早急に専門の医療機関へ行く事をお勧めします。
骨粗しょう症
加齢によりカルシウムが流出して骨密度が減り、骨折しやすくなる病気です。腰骨が圧迫骨折を起こすと腰や背中が痛くなります。骨粗しょう症は、中年以降の女性に多いのが特徴で、骨がカルシウムを吸着するときに必要なエストロゲンの分泌量が閉経とともに急激に減少するためです。また運動不足が起因して骨に刺激が入らない事によっても骨密度の低下を招くので、日常的な運動習慣を取り入れる事で改善が期待できます。
非特異的腰痛
検査をしても痛みの原因となる異常が見つからない腰痛の事で、全体の85%を占めます。
厳密な原因が特定できない腰痛のカテゴリーであり、原因が不明確な腰痛になります。非特異的腰痛は、ぎっくり腰や慢性腰痛などを含み、多くの場合特異的な医学的原因が特定できないため、治療が難しいことが特徴です。腰痛を訴える患者様のうち、約85%が非特異的腰痛とされています。この腰痛は、姿勢、筋肉の不均衡、運動不足、血液循環不良、生活習慣などの要因に関連することがあり、その原因は多様です。医療先進国においても、腰痛の多くが原因不明の非特異的腰痛とされており、腰痛の施術方針は個々の症状や患者様の生活環境に合わせたアプローチが必要となります。一般的には鍼施術での効果が高いとされています。"