鍼施術を受けるとどうなる?

「鍼施術を受けるとどうなるのか?」ここでは鍼灸師の私たちから鍼施術の効果、身体にもたらす変化など鍼施術についての詳しい知識をお届けします。

鍼を刺すと体内で起きる変化

鍼施術の効果とは?

痛みの緩和

鍼施術は、慢性的な痛みに対する効果があります。腰痛肩こり関節痛など、身体のさまざまな部位における痛みを軽減することができます。鍼が刺激されることで、筋肉の緊張がほぐれ、炎症が和らぎます。さらに、鍼が刺激された部位には血流が促進され、栄養素や酸素が運ばれるため、痛みの緩和につながります。

自律神経の調整

鍼施術は、自律神経を整える効果があります。自律神経のバランスが乱れると、ストレスや不安が引き起こされ、身体の様々な不調が現れる可能性があります。鍼が刺激されることで交感神経と副交感神経のバランスが整い、リラックス状態になります。その結果、心身のストレスや不安が軽減されます。また、めまい耳鳴りなどの症状も、自律神経の乱れが原因である場合があり、鍼施術によって改善されることがあります。

免疫力の向上

定期的な鍼施術は、免疫機能を向上させます。鍼で刺激されることで、体内の免疫細胞が活性化され、病原体との戦いに備えます。免疫力が高まることで、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。

消化機能の改善

鍼は消化器系の機能を向上させ、消化不良や胃の不調を改善します。消化器官に鍼が刺激されることで、消化酵素の分泌が促進され、食べ物の消化吸収が効率的に行われます。また、胃腸の運動も活発化され、便秘や胃もたれなどの症状が緩和されます。

睡眠の質向上

鍼施術を受けることで、睡眠の質が向上します。鍼で刺激されることで身体全体がリラックスし、入眠しやすくなります。また、深い眠りを促す効果もあり、朝の目覚めがスッキリとしたものになります。

鍼施術を受けた後に出る反応

鍼施術を受けた後は身体が本来持つ自然治癒力が活性化されるため、その反応として、様々な症状が出る事があります。これらは身体が良い状態になろうとする過程で見られる現象で「好転反応」といわれるものです。基本的にその様な症状が出ても全く問題はございませんので安心してください。主に以下のような症状が出る事があります。

発熱やだるさが出る

鍼施術を受けた日は生体反応の影響で発熱やだるさが出る事が稀にあります。対応策としては、水を多めに飲むことを心がけましょう。水を飲むと体内が潤うので発熱やだるさといった反応が和らぎます。

強い眠気が出る

鍼施術後は副交感神経が優位(リラックス状態)になるため、強い眠気に襲われる事があります。そのため、鍼施術を受けた日は十分な睡眠を取りましょう。身体の回復も早くなります。施術後は長時間の運転は避け、十分な休憩を取ることをおすすめします。

症状が一時的に増す事があります。

これも症状が改善する前に起こる反応の1つで、施術をした部位に血液が大量に流れ込み、一過性の膨張状態になる事により出る反応です。あまりにも反応が強い場合にはアイシングをしてあげると反応は落ち着きます。

これら好転反応は個人の体質や施術時の刺激の強さが関係してきます。初めて鍼施術を受けた方ほど反応が出やすい傾向にあります。施術前より症状が悪化しているように感じますが、体が良い状態に変化していく過程で起こる反応で、通常は2~3日程度で治まってきます。好転反応が治まってくれば症状の緩和、改善が期待できるので安心してください。

鍼施術の効果を最大限にひきだす方法とは?

「鍼はすぐに効果が出るって噂で聞いたけど、本当かな?」そんな疑問をお持ちの方に、鍼施術の効果を最大限に引き出す方法をお伝えします。

リカバリー鍼灸院ではコリの中心部にしっかりと鍼を刺して、ひびかせる。

「ひびき」と呼ばれる反応は、鍼を深く身体に打つことで生じ、温かさやズーンとした重みを感じます。この反応があると、施術直後から部位の痛みが和らぎ、数日後には全体的な症状の改善が期待され、鍼の効果をより感じることができます。

鍼シールを使用し施術効果の持続を良くする。

この貼るタイプの鍼は誰でも簡単に利用できます。シールに短い鍼やプラスチック製の突起がついたもので、貼るだけで鍼施術に似た効果を得る事が特徴です。次回の施術までに使用し、自分で刺激を与えることで、鍼施術の効果を持続させることも期待できる有効的なアイテムです。

電気(パルス)施術を導入する。

鍼施術で効果が薄い場合、刺激を強化するために電気施術を取り入れることがあります。鍼に電気を加えることで刺激量が増し、施術の効果を強く実感できる可能性があります。低周波治療や高周波治療、超音波治療など様々な電気治療がありますが、鍼に直接低周波を接続する方法が一般的です。この施術は鍼を介してトントンとした刺激を感じられ、特に首・肩こりや腰痛などに即効性をもたらします。電気施術は筋肉やツボをほぐし、血流を改善するため、鍼施術の補完として効果的なアプローチと言えます。

整体(骨格矯正)を併用する事でより高い効果が期待できる。

鍼施術のみでは効果が十分に感じられない場合、他のアプローチも考慮してみましょう。鍼施術はツボや痛みの部位に鍼で刺激して血流を促進します。鍼施術と同時に骨格矯正を同時におこなう事で更なる施術効果を獲得できます。

鍼(はり)は何に効くの?

鍼施術の効果はとても幅広く、その効果はWHO(世界保健機関)でも認められています

鍼の鎮痛作用

ゲートコントロール説

痛みのあるところをさすると痛みが治まったり、肩が凝ったときに無意識に肩を揉んだりする現象のことで、いわゆる手当てのことです。鍼によって刺激を与えることで大脳に痛みが届く前に脊髄で遮断するという説のことをいいます。

内因性オピオイドの放出

鍼治療は、脳や脊髄などの中枢神経系に作用して、モルヒネと同じような効果を持つホルモンを分泌させます。(モルヒネは、末期がんなどの痛みに使われる強い医療用麻薬です。)このホルモンは、痛みの信号が脳に届く前に、神経の通り道をふさぐことで、痛みを和らげます。

末梢神経の遮断効果

鍼治療は、痛みを感じる部位に関連する末梢神経に刺激を与えて、痛みの電気信号を止めます。痛みが起こると、末梢神経は痛みのメッセージを発信します。鍼をその発信源に当てることで、神経の活動を静めることができます。

血液循環の改善

痛みがあると、交感神経が活発になって、末梢の血管は収縮し血流が悪くなっています。血流が悪くなると、痛みを引き起こす物質(発痛物質)がたまって、さらに交感神経を刺激して⋯という負のスパイラルに陥ります。鍼治療は、血液の流れを改善して、痛みの原因となる物質を洗い流すことで、痛みを軽減します。