鍼施術を受けるとどうなる?

『鍼施術を受けると身体でどんな変化が起きているのか?』ここでは鍼灸師の私たちから皆様の健康に役立つ正しい知識をお届けいたします。なぜ筋肉にコリが発生するのか?鍼を刺すと体内で起きる変化とは?またそのメカニズムを少し説明します。

なぜ筋肉はこるのか?

コリとは、筋肉の拘縮(こうしゅく)の事を指します。この拘縮とは、筋肉を縮めようと思ってないのに縮んでしまっている状態で、主な原因は血行不良です。血行不良は長時間にわたる不適切な動作が原因で生じてきます。血行不良が起こると、筋肉組織に酸素や栄養が供給されにくくなり、疲労物質や発痛物質が蓄積しやすくなります。筋肉は酸素や栄養素が少なくなると硬くなる性質があり、筋肉が硬くなるとまた血行不良が起こり酸素や栄養が供給されにくくなります。こうした悪循環に陥る事で筋肉のコリが悪化し常態化してしまいます。

血行不良による悪循環

鍼を刺すと体内で起きる変化

東洋医学において、人間の身体には自然治癒力が備わっており、気の流れがそれらを高める要素であると考えられています。鍼施術では、鍼を使って身体のツボを刺激し、気の流れを回復させることで自然治癒力を引き出し症状を改善します。下記では鍼施術を行うことでどのように自然治癒力が高まるか、またその過程で起こる身体の反応について説明します。

鍼施術で高まる自然治癒力

あえて細胞に小さな傷をつける

鍼を刺し細胞に小さな傷をつける事により、身体と脳は修復を始めます。

鍼を刺すことで代謝が活発化

鍼を刺した周辺の血行が促進され、代謝が活発化します。これにより、血行不足で酸欠状態だった細胞に十分な酸素や栄養が供給され始め、同時に、不要な物質(発痛物質や疲労物質)が排除されます。

自然治癒力の活性化

筋肉や細胞にとって不要な物質が取り除かれ始めると、次第に異常興奮していた自律神経がリラックス状態を取り戻し始めます。皆さんが本来持っている自然治癒力が活性化され、患者様の身体の症状が自然と回復・改善方向に向かいます。

鍼は血行促進や代謝活性化だけでなく、痛みを抑制する鎮痛作用や乱れた自律神経を正常化する働きもあり、近年患者数が急増している不定愁訴(病院に行っても異常は無いといわれるが不調を感じている状態の事)にも高い効果が示されている施術方法です。

鍼施術を受けた後に出る反応

鍼施術を受けた後は身体が本来持つ自然治癒力が活性化されるため、その反応として、様々な症状が出る事があります。これらは身体が良い状態になろうとする過程で見られる現象で「好転反応」といわれるものです。基本的にその様な症状が出ても全く問題はございませんので安心してください。主に以下のような症状が出る事があります。

発熱やだるさが出る

鍼施術を受けた日は生体反応の影響で発熱やだるさが出る事が稀にあります。対応策としては、水を多めに飲むことを心がけましょう。水を飲むと体内が潤うので発熱やだるさといった反応が和らぎます。

強い眠気が出る

鍼施術後は副交感神経が優位(リラックス状態)になるため、強い眠気に襲われる事があります。そのため、鍼施術を受けた日は十分な睡眠を取りましょう。身体の回復も早くなります。施術後は長時間の運転は避け、十分な休憩を取ることをおすすめします。

症状が一時的に増す事があります。

これも症状が改善する前に起こる反応の1つで、施術をした部位に血液が大量に流れ込み、一過性の膨張状態になる事により出る反応です。あまりにも反応が強い場合にはアイシングをしてあげると反応は落ち着きます。

これら好転反応は個人の体質や施術時の刺激の強さが関係してきます。初めて鍼施術を受けた方ほど反応が出やすい傾向にあります。施術前より症状が悪化しているように感じますが、体が良い状態に変化していく過程で起こる反応で、通常は2~3日程度で治まってきます。好転反応が治まってくれば症状の緩和、改善が期待できるので安心してください。

鍼施術の効果を最大限にひきだす方法とは?

「鍼はすぐに効果が出るって噂で聞いたけど、本当かな?」そんな疑問をお持ちの方に、鍼施術の効果を最大限に引き出す方法をお伝えします。

リカバリー鍼灸院ではコリの中心部にしっかりと鍼を刺して、ひびかせる。

「ひびき」と呼ばれる反応は、鍼を深く身体に打つことで生じ、温かさやズーンとした重みを感じます。この反応があると、施術直後から部位の痛みが和らぎ、数日後には全体的な症状の改善が期待され、鍼の効果をより感じることができます。

鍼シールを使用し施術効果の持続を良くする。

この貼るタイプの鍼は誰でも簡単に利用できます。シールに短い鍼やプラスチック製の突起がついたもので、貼るだけで鍼施術に似た効果を得る事が特徴です。次回の施術までに使用し、自分で刺激を与えることで、鍼施術の効果を持続させることも期待できる有効的なアイテムです。

電気(パルス)施術を導入する。

鍼施術で効果が薄い場合、刺激を強化するために電気施術を取り入れることがあります。鍼に電気を加えることで刺激量が増し、施術の効果を強く実感できる可能性があります。低周波治療や高周波治療、超音波治療など様々な電気治療がありますが、鍼に直接低周波を接続する方法が一般的です。この施術は鍼を介してトントンとした刺激を感じられ、特に首・肩こりや腰痛などに即効性をもたらします。電気施術は筋肉やツボをほぐし、血流を改善するため、鍼施術の補完として効果的なアプローチと言えます。

整体(骨格矯正)を併用する事でより高い効果が期待できる。

鍼施術のみでは効果が十分に感じられない場合、他のアプローチも考慮してみましょう。鍼施術はツボや痛みの部位に鍼で刺激して血流を促進します。鍼施術と同時に骨格矯正を同時におこなう事で更なる施術効果を獲得できます。

鍼(はり)は何に効くの?

鍼施術の効果はとても幅広く、その効果はWHO(世界保健機関)でも認められています